自習の質って、なんですか? その1 学習計画の質

1.自習の質の2つの要件

大学受験は自習の質と習慣がすべてです。では、自習の質をあげるために必要なことは?

質をあげるために必要なことは、2つです。

1.学習計画の質が優れていること

2.学習のPDCAが優れていること

2.優れた学習計画の3つの要件

では、学習計画の質が優れているって、どういうことでしょうか?受験勉強の場合、要件は3つです。

1.全体感を持った学習計画

2.実現可能なスケジュール

3.合理的な学習順序

2-1.全体感を持った学習計画とは

受験勉強の場合、志望校合格に必要なすべての科目の学習計画が、受験日までのスケジュールとして、偏りなく計画ができていることです。

偏りなくとは、すべての科目に同等にと同じではありません。あなたの現状の学力、受験科目毎のあなたの学力の伸びしろ、志望校の科目毎配点を総合的に判断して、あなたにとって最も成績が伸びる科目毎の学習計画を創ることです。

2-2.実現可能なスケジュールとは

受験日までに残された時間で、あなた自身が実際に投入可能な学習時間を前提にしたスケジュールです。高校生が通学しながら授業時間以外に毎日8時間の学習を続けることは不可能です(浪人生は可能です)。受験日までに残された日数は決まっています。

冷静に考えれば、自分にとって学習可能な時間が計算できます。残された時間が決まっているということが、司法試験や医師国家試験など何回か受けることができる資格試験学習とは違います。頑張れば毎日10時間勉強できるという計算は、自分が実りある勉強をどの程度の期間継続できるかどうか自問自答してください。

 

2-3.合理的な学習順序とは

母国語である日本語は、子どもの時から学校の教育や親の教育で、無意識的ではありますが、長い期間効果的な学習の順序をたどって習得しています。話し言葉から書き言葉、ひらがなから漢字、文法、会話文、物語、短文から長文など、振り返ると確りとした設計に基づいて学習しています。英語も母国語であれば、生活や学校の教育の中で、同じように無意識的に誰もが習得可能ですが、第二言語である日本人が英語を限られた時間で習得する場合には、日本語(国語)と同じようなやり方では無理があります。時間が最大の制約要因です。また、日本人にできあがっている日本語に関する脳の仕組みが英語の習得に影響します。例えば、日本人にとって、ℓとrのヒアリングがむつかしいことは、聴覚に関する脳の仕組みの違いが原因です。

 

でも、同じ言語ですので、英語(第二言語)を日本人が合理的に習得する方法はあります。日本語の習得と同じように、語学の基礎である単語・熟語・文法を学んだ後に、読解力を鍛えればいいだけのことです。読解力は、語学の部品(単語)とルール(文法)がわかっていれば、誰でも上達させることができます。日本語が習得できているのですから、英語もできるはずです。

むやみに学習するのではなく、合理的な学習の順序を踏まえる重要性を理解していただけたでしょうか。

優れた学習計画を創ることは、できます。ただし、初めての受験で一人で創ることがむつかしいことも事実です。

 

学問ノススメが、自習のプライベートコーチを謳っている理由がここにあります。次回は、学習のPDCAについて、お知らせします。