心理学と勉強法 第4回 短期記憶と長期記憶

心理学と勉強法 第4回 短期記憶と長期記憶

第4回は、記憶のモデル 「短期記憶と長期記憶」について説明します。

 

 

短期記憶と長期記憶

認知心理学では記憶を短期記憶(short-term memory)と長期記憶(long-term memory)に分類しています。

短期記憶とは簡単に言えば、今頭の中に意識としてあることです。人の話を聞いているとき、相手がどんなことを言ったのかその場では覚えている訳ですが、後から思い出そうとしても出てこないことがあります。つまり、一時的に意識の中に残っていますが、すぐに忘れてしまうような記憶です。

それに対して、一度意識をしなくなったとしても、また後から思い出せる記憶というのもあります。これが長期記憶です。私たちが多くのことを覚えているのはこの長期記憶の方を指します。

 

コンピューターで、電源が切れてしまっても、保存したデータ(長期記憶)は、あとで読みだせます。保存前の計算(短期記憶)は、電気が急に切れてしまった場合、読み出すことができません。一からやり直しです。

学習とは、必要な短期記憶を長期記憶にすることです。必要な時に長期記憶から呼び出して検索、活用することです。受験勉強においては、この取組を効果的にすることが最も重要です。

 

図 短期記憶と長期記憶

【次回(第5回)テーマ 記憶のモデル 忘却】