あけましておめでとうございます 2025
- 2025.01.1 | News
新年あけましておめでとうございます。どうぞ本年もよろしくお願いします。
受験生のみなさん、高校1・2年生のみなさん。保護者の方々、大学生の方々、それぞれの2025年がスタートしました。特に受験生のみなさんにとっては、思い出となる年のスタートです。どうぞ最後まで健康に留意して、全力で走り切ってください。
人生や仕事の方程式=考え方 X 熱意 X 能力
京セラ創業者 稲盛和夫さん(1932-2022)の言葉です。京セラは売上2兆円を超える電子部品メーカーで、稲盛さんが1959年に創業しました。稲盛さんは日本有数の大企業を一代で創りましたが、同社以外にも第二電電(KDDI)を1984年に設立、電電公社(現在のNTT)の独占体制だった通信業界に劇的な変化をもたらしました。また、倒産の危機にあったJAL(日本航空)の再建を政府に託され、無報酬で2010年に会長に就任。3年足らずで再上場を果たしました。
稲盛さんは会社経営のかたわら、自らの経営思想を「盛和塾」という経営者勉強会や数々の著書で、後輩経営者に伝えています。JALは稲盛さんが指導した経営哲学を”JALフィロソフィー”として、今も継承しています。その経営哲学の中の一つが、『人生や仕事の結果=考え方 X 熱意 X 能力』です。稲盛さんは著書の中で、以下のように説明しています。(「稲盛和夫経営講演選集」DAIAMOND ONLINEから抜粋)
人間が生まれてから死ぬまでにつくり上げる人生の結果、または仕事の結果は、その人がもつ「能力」に加えて、その人がどのくらい「熱意」をもって人生や仕事に取り組んだのか、さらには、その人がどういう「考え方」で人生を歩み、仕事に向かってきたのかという、三つの要素の積になると考えたのです。
考え方>熱意>能力
「能力」と「熱意」は、0点から100点まであり、さらにはそれが足し算ではなく、掛け算で人生に影響を与えると私は考えています。「能力」とは頭の良さだけを言うのではありません。健康で頑健でタフな仕事(筆者注;学生の皆さんの場合は学業に置き換えられます)ができるという肉体的能力も、「能力」の一つです。
でも、「能力」はあるけれども、「熱意」があまり感じられない人がいます。「能力」があまり高くないけれど、熱意を人一倍もって努力する人は、「能力」60点×「熱意」90点で5,400点になります。一方、「能力」が90点もあったとしても、懸命に働く(筆者注;学生の皆さんの場合は学ぶ)ことを嫌い、30点しか「熱意」がなかった人は2,700点と、その半分にしかなりません。「能力」と「熱意」が足し算であれば、差はほとんど開きません。掛け算だけに大きな差が開いてしまうのです。
ここに「考え方」という要素が加わります。この「考え方」とは、マイナス100点からプラス100点まであると考えています。そうすれば、掛け算ですから、わずかばかりの否定的な考えであったとしても、人生や仕事の結果はすべてマイナスになってしまいます。 それも、「能力」と「熱意」があればあるだけ、大きなマイナスの値となります。つまり、この方程式は「考え方」の重要性を示しているのです。考え方、人間性、思想、哲学、あるいはその人の人格が、人生にとって最も重要な要素であるということを表しています。
稲盛さんの言葉は、努力をする熱意の必要性を説明しています。そして、その大前提になる考え方の重要性を説明しています。人生の方程式の3つの要素(考え方・熱意・能力)の順序にその重要性が反映されています。昨今取り上げられている「闇バイト」のリーダーの姿を見れば、能力と熱意がマイナスに使われた場合の結果を表していると思います。
みなさんも自分自身が人生の主人公として、今年を精一杯楽しみ、毎日を過ごしてください。その先に、みなさんの方程式の現在の答えがあると思います。また、今年も一緒に走りましょう。どうぞ宜しくお願いします。
(文責;大井 臨床発達心理士、筆者の紹介記事はコチラ)