大学受験とAI活用 ~英語の勉強法 その1~

英語の勉強法

大学受験勉強とAI活用についてのブログ。前回は模試の活用法について説明しました。今回は英語の学習法について、AIに質問してみました。少し長いですが、AIの実力を知り、AIを大学受験勉強に活かすための参考になると思いますので、学問ノススメの高校生への英語指導の考え方も含めて3回に分けて紹介します。

 

AI(Chat GPT)の回答

AIに以下の質問をしました。今回は、解答の精度をあげる為に少し掘り下げて質問をしました。

 

 

(1).九州大学工学部が志望校の高校2年生です。8月から受験勉強を本格化する予定です。全統模試での英語の成績(リーデイング、リスニング共)は平均点程度です(偏差値50)

(2).英語のリーデイングとリスニングとライティングの成績をあげるために、学校での授業に加えて、自習する場合に、以下の2点について教えてください。

1.どういう参考書や問題集を選んで勉強をスタートすればいいですか?単語帳、文法、読解、英作文、リスニングのそれぞれについて教えてください。

2.1で選んでもらった参考書や問題集を、単語帳、文法、読解、英作文、リスニングのそれぞれについて、どういう順番で勉強をしていくことが効果的でしょうか?英語をマスターするためには、順序だてて勉強することが大切だと聞いたので質問しています。

 

AIの回答

 

九州大学工学部志望ということなので、目標レベルは国公立上位大(偏差値65前後)です。現在は全統模試で偏差値50(=共通テスト平均レベル)とのことですので、今から適切な順序で努力すれば十分に届くレベルです。

 

 1. 英語の勉強に使うべき参考書・問題集の選び方

高校2年の8月から始めるにあたって、次の4分野で分けて紹介します。

【① 英単語帳】

語彙力はすべての土台です。まずは基礎〜共通テストレベルの単語帳から始めてください。

  • 最初に使うべき単語帳:
    • システム英単語(5訂版)』(駿台文庫)
      →共通テスト〜国公立2次に対応。受験生定番。
      →ミニマルフレーズで文脈がわかりやすい。
  • より基礎的なレベルから始めたい場合:
    • ターゲット1400』(旺文社)
      →共通テストに特化。シス単より少し優しめ。

【② 英文法書】

文法を体系的に理解することは、読解・英作文の土台になります。

  • おすすめ:
    • Next Stage英文法・語法問題(5th)』(桐原書店)
      →定番。文法・語法・イディオム・会話・語彙までカバー。
    • Vintage 英文法・語法(4th)』(いいずな書店)
      →Next Stageとほぼ同レベル。好みで選んでOK。
  • 補助教材(理解を深めたい人向け):
    • Evergreen(総合英語)』(いいずな書店)
      →文法書。辞書的に使える。読み物としてもよい。

 

 

【③ 英文読解】

最初は「精読力」をつけること。文構造の理解と語彙・文法の定着がカギです。

  • ステップ1(基礎〜共通テスト対策):
    • 基礎英文解釈の技術100』(桐原書店)
      →SVOCなど文構造を正確にとる練習。
  • ステップ2(2次・難関国公立対策):
    • 英文読解の透視図』(研究社)
      →難しいが、読解力を飛躍的に伸ばせる良書。

【④ 英作文】

共通テストでは不要ですが、九大の2次試験で自由英作文があります。英作文は時間がかかるので早めにスタートしてOKです。

  • 最初の1冊:
    • 英作文トレーニング 自由英作文編(新装版)』(Z会)
      →テーマ別に型が学べる。九大レベルに合う。
  • 文法・構文が弱いと感じるなら:
    • ドラゴン・イングリッシュ基本英文100』(竹岡広信)
      →例文暗記型。文法・語彙・構文の確認に。
2. 効果的な学習の順番・進め方

順番を間違えず、積み上げ型で進めることがポイントです。

 

 

【Step 1:語彙・文法の土台作り】(8月〜10月)

やること:

  • 単語帳(シス単orターゲット)
    →1日30〜50語を「見て→音読→意味→例文確認」で暗記。
  • 文法問題集(Next Stageなど)
    →1日2〜3セクションずつ。間違えた問題に印。

ポイント:

  • 音読で発音・リスニングにも効果あり。
  • 間違えた問題は必ず「なぜ間違えたか」確認。
  • 単語と文法は毎日触れる。1日10分でもOK。

【Step 2:読解力の強化(精読)】(10月〜12月)

やること:

  • 基礎英文解釈の技術100
    →1日1題ずつ精読。SVOCを全て書き込む。
  • 長文問題演習(学校や模試の復習)
    →模試の英文を何度も読み直す。文構造・語彙の確認。

ポイント:

  • 文法が土台にあると読解の精度が上がる。
  • 最初は「読めない英文を読むより、読める英文を精度高く読む」。

 

 

【Step 3:英作文の導入】(11月〜1月)

やること:

  • 英作文トレーニング(Z会)を1日1題 or 週2〜3題
    →まずは模範解答を「マネして書く」練習から。
  • ドラゴンイングリッシュの例文暗記(余裕があれば)
    →型を覚える。自由英作文で使える表現力の土台に。

ポイント:

  • 書いた英文は必ず添削してもらう or 模範と比較
  • 書く力=「インプット(例文暗記)+アウトプット(書く練習)」。

【Step 4:リスニング対策】(1月以降本格化)

やること:

  • 共通テストの過去問 or 模試音源のシャドーイング・ディクテーション
  • NHKラジオ講座(高校生から始める英語講座)もおすすめ

【毎日やるべき学習のバランス例(1日90分〜120分想定)】

時間 内容
20分 英単語(音読+テスト)
20分 英文法(Next Stage)
30分 英文読解(精読+音読)
30分 英作文(Z会 or 模写練習)or リスニング

 

 

最後に:学習を継続するコツ
  • 単語・文法・読解は「セット」で考える。
  • 1冊を「何周も」繰り返すことで定着する。
  • 英語学習は「1日では伸びないが、100日後に大きく伸びる」科目です。

 

学問ノススメの総評

1.質問内容の焦点を絞ることで、納得的な解答をAIから引き出せたと思っています。

2.英語(外国語)学習が、単語や構文の知識を元にした積み上げであることを意識して質問しましたので、AIも、あまたある英語の学習法の中から、適切な情報を引っ張ってきたと思います。

3.英語学習法やおすすめの参考書・問題集については多くの情報・ブログがネット上にありますので、その情報をEEAT(注)を軸に抽出してきていると感じました。AI活用が有効な分野での情報収集だと思います。

(注)Googleが公表しているネット上の情報の信頼性の評価基準。E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)という概念。Googleがウェブページの品質を評価する際に重視する指標で、経験、専門性、権威性、信頼性の4つの要素から成り立っている。これらの要素が高いほど、情報源としての信頼性が高まり、検索結果でのランキングも向上する可能性がある。

 

 

次回は、英語学習法について、さらに突っ込んだ質問をした結果と学問ノススメの考えをご紹介します。言語学習を科学的に分析することのムツカシサが反映された興味深い結果となっています。AI活用のコツ(限界)を示す一例と思いましたので、次回に詳しく紹介します。

 

学問ノススメの個別指導の無料体験をして頂くことで、学問ノススメの受験勉強へのアプローチや考え方、個の指導を実感して頂けると思います。どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

(文責:学問ノススメ 大井 臨床発達心理士 詳しい経歴はコチラ