そろそろ”人生”を語ろうか——。【みうらじゅん&リリー・フランキー】

新潮社の「考える人」メールマガジンで、みうらじゅんさんとリリー・フランキーさんの対談が3回にわたり連載されています。二人の対談集 『どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか』(新潮文庫)を一部公開しているものです。

リリー・フランキーさんは、今は俳優として有名ですが、画家・文筆家などのマルチタレントとして活躍。世間に知れたのは『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』が、200万部を突破する大ベストセラーとなり、2006年には本屋大賞を受賞、テレビドラマ化、映画化、舞台化もされました。以前に、学びとミライの書評でご紹介した「二十歳の君へ(東京大学立花隆ゼミ)」でも、独特の人生観を東大生相手に語っています。北九州市小倉出身。

みうらじゅんさんは、エッセイスト・評論家・イラストレーターなど幅広い分野で活躍している方で、長髪・サングラスの姿は、一度見たら忘れられない風貌です。サブカルチャーの表現者的なイメージの強い人ですが、「マイブーム」「ゆるキャラ」など様々な造語を世に出しています。また、子どものころから仏像が大好きで、全国の仏像を紹介する「見仏記」や「マイ仏教」などの仏教をテーマとした著書があり、僧侶や仏教研究者、仏教関連の文学者に贈られてきた「仏教伝道文化賞」を2018年に受賞しています。京都市出身。

そんな2人の対談ですから、真剣の中におふざけ(あるいはおふざけの中に真剣か)、どこからどこまでその発言に振り回されるか、決しがたいものがあります。が、ハッとさせられる内容があります。

(二人が人間にとっての不安を語っている中で)”不安の話をすると、ものすごく真剣にものごとを考えているように錯覚しがちなんだよね(みうらじゅん)”、(それで、結局仕事とは?の中でも)”オレも今までの人生で、「何かしたい」って言いながら何にもしなかったヤツと、一生懸命頑張ってきたけど何にもならなかったヤツと二種類見てきました(リリー・フランキー)”(中略)”それでも熱意はあるもんね、そこには。無駄な熱意ってね、最終的に残るんですよ。みんな無駄な熱意に驚くわけだから(みうらじゅん)”

【文責 大井 安治】