心理学と勉強法 第45回 モチベーションをコントロールする
- 2021.12.26 | 心理学と勉強法 高校生・受験生の学び(現在)
第45回(最終回)テーマは、”モチベーションをコントロールする”です。
モチベーションをコントロールする 3つのポイント
第3章で伝えたかったことは、「モチベーションの高い人は生まれつきという考え方は間違い」ということ、モチベーションは、これまでの経験や環境で培われてきたものです。常に一定で変わらないものではなく、時と場合とで上下します。言い換えれば、自分でコントロールできるものです。
やる気をコントロールするためのポイントをリストアップすると以下の通りです。
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“期待”(結果期待と効力期待)を持ち、“価値”を定めること(期待・価値理論)
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成功であれ失敗であれ、結果を受け止め、先につなげること(原因帰属理論)
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自分の運命は自分で決めると考えること(行動の始発性・自律性)
2,000時間の伴走者
モチベーションは上下します。負けたらへこみます。失敗したら怖気づいてしまいます。目標がとても遠く感じ、最初の一歩が踏み出せません。
学問ノススメが大学受験のプライベートコーチを名乗っている理由はここにあります。
自分だけで、未来を見通すことが苦しくなった時、時に励まし、時に厳しく、時にリードし、時に背中を押し、一緒に走り続けます。2,000時間の伴走者の存在意義はそこにあると考えています。
“むつかしすぎるからできない”とか、“頭が悪いからできない”という考えが浮かんでしまうこともあるかもしれません。その時は、悩まず相談してください。そのためのプライベートコーチです。伴走者です。
志望校合格につながる計画は学問ノススメが創ります(結果期待)。悩まなくて大丈夫です。計画が大変で、時にくじけそうになるときには、やればできるように計画を見直し、目標に挑めるように導きます(効力期待)。成績があがらないときは、何が原因か一緒に悩み、正しい勉強法(努力)をアドバイスします(原因帰属)。
皆さんに取り組んでもらいたい2つのこと
でも、われわれにはできないことがあります。みなさんに取り組んでもらいたいことが2つあります。
- 目標(志望校合格)に価値を見出すこと(価値)
- 「自分の運命は自分で決める」と考えること(行動の始発性・自律性)
志望校合格に価値を見出す
あなたの価値は、われわれが決められません。
どんな価値でも結構です。外発的動機か内発的動機かは関係ありません。お金持ちになりたい、安定した会社に就職したい、友達に自慢したい、周囲に引け目を感じたくない、親や先生にほめてもらいたい、なんでも結構です。最初から、受験勉強が好きな人などいません。勉強していく中で、見つかります。今、見つからなくても、その努力が未来につながります。福原愛さんや伊藤美誠さんが、叱られ泣きながら卓球の練習に取り組んだ先に見えたものが、あなたにも見えてくるはずです。
自分の運命は自分で決める
「仕方なく、やらされているから勉強をすること」はむなしいことだと気づいてください。あなたの未来を他人にまかせてはいけません。そして、目の前の課題に懸命に取り組んでください。
この2つ(志望校合格に価値を見出す、自分の運命は自分で決める)が、受験勉強に取り組んでいるみなさんが「モチベーションを高く持つ秘訣」(“モチベの秘訣”)です。
受験勉強でのモチベーションの話をするとき、TOKIOの宙船(そらふね)の歌詞をよく思い出します。この歌詞で、「心理学と勉強法」を、終えます。
その船を漕いでゆけ おまえの手で漕いでゆけ
おまえが消えて喜ぶものにおまえのオールをまかせるな
(宙船 歌:TOKIO 作詞作曲:中島みゆき)
(文責:大井安治 臨床発達心理士)
以上