宇宙時代の備えが必要？

近年、科学技術の進展に伴い宇宙の存在がますます身近に感じられるようになってきました。例えば、Amazonの創設者であるジェフ・ベゾス氏が有人宇宙飛行に成功したニュースが最近話題になりましたし、6月にはアメリカの国家情報長官室が「「UAP」（未確認空中現象)）に関する報告書を公開し、NHKでも取り上げられるなど大きく注目されました。

私たちの活動領域としての宇宙という場が身近になりつつあると感じます。

今日紹介するのは、今後到来しつつある「宇宙時代」に、私たち地球人が宇宙人としてのスタンダードたる知識を学ぶための教養書です。タイトルはSFのように感じますが、ブルーバックスなので中身は科学的な内容です。

著者について

高水裕一（たかみず ゆういち）

筑波大学計算科学研究センター研究員。1980年東京生まれ。2003年、早稲田大学理工学部物理学科卒業。2007年、早稲田大学大学院博士課程修了、理学博士。2009年、東京大学大学院理学系研究科ビッグバンセンター特任研究員。2012年、京都大学基礎物理学研究所ＰＤ学振特別研究員。2013年、英国ケンブリッジ大学応用数学・理論物理学科理論宇宙論センターに所属し、所長を務めるスティーヴン・ホーキング博士に師事。2016年より現職。専門は宇宙論。

構成

本書は全11章から構成されています。読者が宇宙人同士の社交の場「惑星際宇宙ステーション」にて繰り広げられる架空の物語です。読者は地球チームの一員として乗り込むのですが、そこで出会った宇宙人から問われる質問に答えていくことで、宇宙人としてスタンダードとなる科学知識を身につけていくように構成されています。宇宙人から質問される内容も太陽の数はいくつかであるとか、力をいくつ知っているかなど知的好奇心を刺激されます。

プロローグ　宇宙のとあるカフェにて

第１章　あなたはどこから来たのですか？

第２章　あなたは何でできていますか？

第３章　あなたたちの太陽はいくつですか？

第４章　あなたは力をいくつ知っていますか？

第５章　宇宙の破壊者を知っていますか？

第６章　宇宙の創造者を知っていますか？

第７章　宇宙最古の文書を知っていますか？

第８章　あなたは左右対称ですか？

第９章　数のなりたちを知っていますか？

第10章　宇宙人の孤独を知っていますか？

第11章　エネルギーは何を使っていますか？

本書を読んで

本書の最後には、宇宙偏差値というものをチェックできる項目が50問程度掲載されていますのでチャレンジしてみるのも面白いです。

秋の夜長の季節に、本書を片手に空を眺めるのも良いかもしれません。

（文責：井口）