「やり抜く力 GRIT(グリット)」アンジェラ・ダックワース、ダイヤモンド社
- 2021.05.7 | 書評 未来への学び(遠い未来)
1.目標達成には「グリット:やり抜く力」が必要
大学受験は、多くの人にとって、貴重な時間・エネルギーを費やすライフイベントですが、成功のカギは何でしょうか?
もちろん色々な要素がありますが、今日ご紹介する「グリット:やり抜く力」も極めて重要な要素の一つです。
2.著者紹介
アンジェラ・ダックワーク(Angela Duckworth)
ペンシルベニア大学心理学部教授。近年、アメリカの教育界で重要視されている「グリット」(やり抜く力)研究の第一人者。2013年、マッカーサー賞(別名「天才賞」)受賞。教育界、ビジネス界、スポーツ界のみならず、ホワイトハウス、世界銀行、経済協力開発機構(OECD)、米国陸軍士官学校など、幅広い分野のリーダーたちから「やり抜く力」を伸ばすためのアドバイスを求められ、助言や講演を行っている。ハーバード大学(神経生物学専攻)を優秀な成績で卒業後、マッキンゼーの経営コンサルタント職を経て、公立中学校の数学の教員となる (著書より引用)
3.内容と構成
本書は3部、13章の構成です。Part1では、グリットとは何か、またなぜ重要なのかが解説されています。続くPart2、Part3ではグリットをどのように伸ばすのかについて、自分の「内側」と「外側」の観点から解説されています。
PART1「やり抜く力」とは何か?なぜそれが重要なのか?
第1章「やり抜く力」の秘密
第2章「才能」では成功できない
第3章 努力と才能の「達成の方程式」
第4章 あなたには「やり抜く力」がどれだけあるか?
第5章 「やり抜く力」は伸ばせる
PART2「やり抜く力」を内側から伸ばす
第6章「興味」を結びつける
第7章 成功する「練習」の法則
第8章 「目的」を見出す
第9章 この「希望」が背中を押す
PART3「やり抜く力」を外側から伸ばす
第10章「やり抜く力」を伸ばす効果的な方法
第11章「課外活動」を絶対にすべし
第12章 まわりに「やり抜く力」を伸ばしてもらう
第13章 最後に
4.本書を読んで
「七転び八起き」という言葉があります。
難しいチャレンジを成功させるには、目的を見失わず、何度も失敗を重ねながら取り組む姿勢が求められます。
自分の取組に対して、強い関心を持ち続け、失敗しても挑戦し続ける粘り強さが必要です。
「グリット」は持って生まれた素質ではなく、トレーニングによって伸ばすことができます。
あきらめない心を持ち続けるためには、身近に「この人のようになりたい」という存在がいるかどうかなど、環境も非常に重要です。
学問ノススメで活躍している大学生講師にインタビューをすると、決して、常に順調だったわけではなく、壁にぶちあたりながらも、その経験を糧にして挑戦を続けたことを教えてくれます。
やり抜く力、覚えておきたい言葉です。
(文責:井口)