「17歳でもわかるGRITワークブック」カレン・バルーク=フェルドマン、双葉社
- 2021.05.21 | 書評 未来への学び(遠い未来)
GRITを伸ばすためのワークブック
前回に紹介した「GRIT:やり抜く力」の中で、著者のアンジェラ・ダックワークスは目標達成の方程式を次のように定義しました。
① 目標達成=スキル×努力(GRIT)であり、
② スキル=才能×努力(GRIT)である。
(注)GRITとは、重要な長期目標に向かって努力しつづける情熱と粘り強さのこと
才能を努力によってスキルとして高め、そのスキルを使って努力を続けることで、目標を達成することができるという考え方です。
方程式には、努力(GRIT)が2度登場しています。いくら才能に恵まれていても努力をしなければスキルは身に付きませんし、スキルが身に付いてもそのスキルを活用すべく努力をしないと成果は生み出されず、成功はできないということです。
また、私たちはあらゆる場面に同じ程度にGRITを発揮できるわけではありません。勉強、人付き合い、心身の健康、レクレーションなど、場面によって、GRITを発揮できる程度が異なります。
そこで、まず自分は場面ごとにどの程度のGRITを発揮できるのかを知り、どう伸ばせば良いかの指針を得ることは有益だと思います。
今回ご紹介する書籍ではGRITを伸ばすための方法やアイデアが紹介されています。
著者
カレン・バルーク=フェルドマン
コロンビア大学バーナード・カレッジ卒業。臨床心理士、スクールカウンセラー。
不安やストレスへの対処法、GRITやセルフコントロール能力の育成法について、認知行動療法を用いて指導するワークショップを主宰。
構成
本書は4章で構成されています。
第1章:「やり抜く力」って何?:GRIT入門
第2章:GRITを発揮できるマインドセットを育てる
第3章:GRITを発揮できる行動を身につけよう!
第4章:GRITを邪魔するものを乗り越えよう!
第1章では、学ぶこと、人付き合い、心と体の健康、レクリエーションなど、どのような場面でGRITを発揮しやすく、あるいはしにくいかを自分で振り返ることができます。どの場面のGRITを伸ばすと良いか、自己分析ができ、自分なりの指針が得られます。
第2章から第3章では、GRITを発揮するための心の持ち方・考え方、実際に行動に移すためのアクションプランを作ることができます。
最後の章では努力の途中で挫けそうな時に、支えとなる思考法や行動について紹介されています。
本書を読んで
日本語タイトルは「17歳でもわかる」とあります(原題 THE GRIT GUIDE FOR TEENS)。GRITに関する高校生の方々へのガイドブックとして、GRITを身に着けるために具体的に取り組める内容が紹介されています。繰り返し取り組んでみたい内容だと思います。
(文責:井口)