福岡の高校 ~第8回 修猷館高校~

福岡の高校紹介シリーズ(*) 第8回は、修猷館高校です。

(*)学問ノススメでは、定期的に福岡市(近郊)の高校にうかがい、進路相談担当の先生方とのミーティングを継続しています。塾での指導は、高校生のみなさんにとって一部の生活であり、受験生が多くの時間を過ごす高校生活や学校での教育を知っておくことが、みなさんへの指導にとって不可欠と考えているからです。公開されている情報や私の経験をもとに、私の感想を込めた高校紹介を毎月行っています。

 

 

 

2022年の本シリーズ最後は修猷館。在京時代の私でも福岡の伝統校として耳にしたことがありました。1784年に藩校として創立。校名も中国の古典(書経)の一節を由来としており、生徒を館生、校長を館長と呼称とするなど、特徴をあげればどんどん出てきます。われわれのような学習塾業界では、併設されていた修猷学館(既卒生を対象とする補習科、いわば予備校)の存在が有名です。かつては、高校生活を4年間と考えていたという都市伝説(逸話?)も耳にします。

 

修猷館 旧正門

 

 

私が、同校について注目していることは、自主自立の校風、あるいは、反骨精神が受け継がれているということ。特に校訓・校則を定めず、生徒による大幅な自治が認められはいる、という話です。高校生自治を重視する流れは、現在は、世間的にも広く認められます。が、自主自立を伝統としている福岡の高校として、やはり修猷館がまず浮かびます。ホームぺージの卒業生紹介(修猷山脈と称しています)で、中野正剛や広田弘毅が紹介されていること、戦前の政治家として異彩を放っていた2人が紹介されているところに、校風の伝統を感じました。

 

広田弘毅

中野正剛

 

福岡に来て、時々街歩きをしますが、明治時代の藩閥政治への批判的な活動を行った郷土の先輩たちの顕彰碑や銅像を見かけることがあり、東京では感じられなかった福岡市民の反骨精神を、なんとなく感じていました。修猷館という歴史ある伝統校に、そのような匂いを感じることは、ある意味当たり前かもしれません。

 

修猷館大運動会

 

(文責:大井)