受験勉強でのわかるコツ ~心理学と勉強法 2023~

学問ノススメのブログ 心理学と勉強法の中で、多くの皆さんから興味を持って頂いたブログを隔週で紹介するシリーズです。今回は、”受験勉強でのわかるコツ(Tips for studying university entrance exams)”について説明します。

AI超え

人間の脳の記憶容量と神経の反応スピードには限界があります。AIのように、大容量の記憶装置と高速演算で解を導き出すことはむつかしそうです。藤井八が、2020年の棋聖戦で打った一手について、「AI超え」として話題になり、2020年の流行語大賞にもノミネートされました。藤井八冠(2020年当時は藤井二冠!)が23分間考えて打った一手は、AIが対局中には思い浮かばなかった一手で、悪手かもしれないといわれていた一手ですが、翌日にはAIが6億手を計算した結果、藤井棋聖の一手を最善手としたという出来事です。

 

 

人間の脳は、AIが大容量記憶装置と超高速演算装置を駆使してもすぐにはできない解答を、鍛えることによって、できるようになります。藤井八冠の脳内でどのような演算が行われていたか、本当のところはもちろんわかりませんが、今までの話を総合すると、私は、以下の通りに考えます。

 

・藤井さんの将棋スキーマ(定石)に検索
・同様の局面は見つけられなかったが、ヒューリスティックな推論(多分この一手が良いという推論)
・その結果、最も適当と思われる一手が23分間で浮かんだ(AIが6億手の演算でたどり着いた名手)

 

 

まとめ

藤井八冠が、幼いころから長い時間をかけて、すさまじい努力で身につけた能力(将棋脳)だと思いますが、受験勉強で身につける能力も基本は同じです。

 

・自分の知識(血肉)とするために、わからないことを放り出さずに、粘り続ける努力

・むつかしい局面や新しい課題に出会っても、決してあきらめずに、今までの努力(経験)を生かして、解を見つけ出す姿勢

 

 

もちろん、それぞれの人に得手不得手や学力の差はあります。でも、多くの人が正しい筋トレをあきらめずに行うことで筋肉をつけていけるように、大学受験のレベルであれば、必ず挑戦ができると思います。

 

(文責:大井)