心理学と勉強法 第1回

心理学と勉強法に関するコラム

学びとミライでは、これから、高校生のみなさん、大学受験に取り組んでいるみなさんに、心理学と勉強法に関するコラムを毎週連載します。

はじめに

まず、なぜ、心理学が勉強に重要かを説明します。

心理学は、こころの学問ですが、勉強にどのようにかかわっているのでしょうか?

教育心理学、学習心理学、認知心理学、社会心理学、臨床心理学など、学習・教育・学校にかかわる心理学があります。

これらの学問は、どのように知識や学力、能力が育まれていくのか、そのプロセスで教育はどのようにかかわれば効果があるのか、社会や学校はどういう役割を果たすのかなどを、考える学問です。

こころを知ることは、とても奥深く、広がりのあるものです。

心の中は宇宙と同じ、広くて深い

ある教育者が、小学生に「心の中は、宇宙と同じように広くて深いんだよ」という説明をしていました。複雑なこころの動きを解明することは容易ではありませんが、先人の努力のおかげで、いろいろなことがわかってきています。

本編では、心理学が解明してきた学習や教育研究の中で、特に、認知理論(認知心理学)と教育理論(教育心理学)を中心に説明します。

受験勉強に取り組んでいるみなさんにとって。学習における人間のこころの知的なメカニズム(認知)を知ることが、意味があるからです。また、教育を効果的に進める仕組みがわかることが、自習の質をあげることにもつながるからです。

認知心理学

認知心理学は、コンピューターの発達と呼応して、60年以上前から発展をしてきました。人間をコンピューターと同じように、情報処理システムとみなすという考え方が基本にあります。それまでは、われわれの内的なこころの活動を解明する心理学では、こころの動きをブラックボックス的に扱うか、逆に、客観的に観察できる行動を対象として法則化する、客観的に解明することをその役割と考えていました(行動主義心理学)。

しかし、人のこころの仕組みは、すべてが観察できるほど単純ではありません。また、こころの仕組みを内的なもの(ブラックボックス)として解明することは、科学的とは言えない側面があります。そういう中で発展してきた心理学が認知心理学です。知的情報処理のしくみを明らかにしようという取り組みです。

コンピューターの情報処理の仕組みが、人間のこころの内的な活動を解明するヒントになったこと、さらには、人間のこころ(脳)の仕組みが、情報処理技術の発展に伴い、見える化できたり、大量のデータ処理でモデル化できるようになったりしたことが、貢献しました。

人の心については、今も解明されていないことが、たくさんあります。神秘的なものとも言えます。一方で、科学的な解明が進んでいる分野でもあります。本編では、科学的に解明されている知識を中心に説明します。

次回から、勉強法と認知心理学について、学習のメカニズムを順番に説明し、そのメカニズムを活用した勉強法を紹介していきます。