心理学と勉強法 2023

心理学と勉強法 アゲイン

学びとミライでは、高校生、大学受験生のみなさんに、2021年春「心理学と勉強法という連載を開始しました(全45回)。多くの方々に参考にしていただいています(延べ16,000回の検索クリック数)。その中で、皆さんから特に興味を持って頂いたコラムがあります。そこで、心理学と勉強法の中で人気のあったコラム、「記憶に関するもの」「理解に関するもの」について、改めて順番にご紹介させて頂きます(隔週)。今回は、なぜ心理学が勉強に重要かについて、説明します。

なぜ心理学が勉強に重要か

心理学は、こころの学問ですが、勉強にどのようにかかわっているのでしょうか?

教育心理学、学習心理学、認知心理学、社会心理学、臨床心理学など、学習・教育・学校にかかわる心理学があります。これらの学問は、どのように知識や学力、能力が育まれていくのか、そのプロセスで教育はどのようにかかわれば効果があるのか、社会や学校はどういう役割を果たすのかなどを、考える学問です。

こころを知ることは、とても奥深く、広がりのあるものです。ある教育者が、小学生に「心の中は、宇宙と同じように広くて深いんだよ」という説明をしていました。複雑なこころの動きを解明することは容易ではありませんが、先人の努力のおかげで、いろいろなことがわかってきています。”学習におけるこころの知的なメカニズム(認知)”を知った上で受験勉強に臨むことは、決して無駄ではありません。

 

 

認知心理学

認知心理学は、コンピューターの発達と呼応して、60年以上前から発展をしてきました(日本認知心理学会ホームページリンク)人間をコンピューターと同じように、情報処理システムとみなすという考え方が基本にあります。認知心理学では、人間を情報処理システムとして理解していますので、コンピューターにたとえた説明がよく行われます。コンピューターに例えれば、以下の通りです。

 

(出展;コンピュータの5大装置とCPUについて KENスクール ブログ)

 

情報が入力(感覚)されて、CPUが認識(知覚)、過去の情報(記憶)と、照合・情報処理(理解)のうえ、出力(問題解決)しています。

 

人の心については、今も解明されていないことがたくさんあります。神秘的なものとも言えます。一方で、科学的な解明が進んでいる分野でもあります。それでは、次回から、記憶に関するコラムを順番に紹介していきます。

(文責:大井)