二十歳の君へ ~東京大学 立花隆ゼミ+立花隆~
- 2021.02.21 | 大学での学び(近い未来)
二十歳の君へ 16のインタビューと立花隆の特別講義 東京大学 立花隆ゼミ+立花隆著
立花隆さんは、現代のジャーナリスト・評論家です。高校生には、縁遠い存在かもしれません。
昭和の世代には、時の宰相、今太閤と言われていた 田中角栄失脚のきっかけを作った「田中角栄研究」(文藝春秋)で鮮烈な印象を与えたジャーナリストです。
「二十歳の君へ」は、立花隆さんが担当されていた東京大学立花隆ゼミの学生がまとめあげた著書です。大きく3章に分かれています。
第1章 二十歳、扉をたたく
様々な分野で活躍している16人の大人たちへ、学生たちがインタビューした記事。リリー・フランキーさんから始まり、森見登美彦さん、平野啓一郎さんほかの作家、糸井重里さん、原研哉さん、藤子不二雄Ⓐさんたちクリエイター、内田樹さんや西山雄二さんのような哲学者・思想家、様々なジャンルの学者(村山斉さん、宮台真司さんたち)まで、多士済々な”濃い人生を送ってきている”大人たちへ、東大生がインタビューをして、キラッと輝く話、ハッとする言葉を引き出しています
第2章 二十歳、頭をひねる
立花隆さんの東大での特別講義の内容です。社会の光と影を深く深く見てきた70歳の大人が20歳の若者たちに届けるメッセージ。2010年夏の講義ですが、今、読み解いても刺激にあふれる内容です。近現代の時の流れを、人類史や自然史の流れからも説き起こし、現在の社会現象を、自然科学や社会科学の視点で俯瞰しています。「私は船尾に、君たちは船首にいて荒波を切り開いていく」という言葉は、一人の人間としての自分を見つめ、未来を担う若者への思いが込められています。立花隆さんでも、「20歳からの数年が人生でいちばん面白い時期になると思います」というメッセージが印象的です
第3章 二十歳、思いわずらう
立花ゼミ生14名の手記です。こんな手記が、20歳の私には知的な力不足で書けませんでした。今、大人になっても、書けません。心のみずみずしさが不足して、書けません。30歳の彼(女)等は、研究者、イラストレーター、編集者、キュレーターなど、それぞれの道を歩んでいるようです。これから、どのような人生を歩んで行くのでしょうか?
高校生のみなさんが、”もっと知りたい、もっと学びたい、世界は不思議にあふれている” というきっかけになればいいなと思って、紹介しました。