現在のAIには、できないこと(学問ノススメが、個別指導で目指す姿)

1.足場かけ

教育心理学に、足場かけ(Scaffolding)という考え方があります。

米国の心理学者(教育心理学・認知心理学)ブルーナー(1915~2016)が提唱した子どもの教育に関する理論です。

子どもが一人だけではできない課題について、適切な指導をすること・手を差し伸べることで、最終的には、自力で、できるようにすることを目指すという考え方です。

 

ギリギリ届かない目標に対して、ちょうどいい高さの足場をかける。その結果、ひとりで届くようになる。さらに、その先の目標を目指せるようになる、という考え方です。

 

個別指導においても、解決法を単に教えるだけではなくて、ひとり一人の力を見極めて、“ちょうどいい”足場をかける。これがムツカシイ。

2.足場かけと個別指導

まず、ひとり一人の能力を見極めることがとても難しい。その上に、ちょうどいい足場をかけることがムツカシイ。

大学受験の場合、解法(テクニック)を単純に教えてしまうことや、逆に、解法を自分で見つけなさい(教えない指導!)と言って、その実は突き放しているだけの指導が、見受けられます。その場限りの指導で本人の身につかない場合や、自力では解法が見いだせず、結果として、諦めてしまうケースにつながります。

学問ノススメの個別指導は、足場かけを目指しています。

3.学問ノススメの個別指導(足場かけ)

足場かけの難しさがわかったうえで、どうすれば“ちょうどいい”足場になるかを考えます。そのため、生徒の宿題ノートや毎週のチェックテストを徹底的に活用します。

毎週のテストで、できなかった問題をチェックして、解法を教えることが個別指導ではありません。

教えない指導自体に、意味はありません。

なぜわからなかったのか、その理由を一つ一つ見つけ出して、自力でできるようにする(足場をかける)ことが、個別指導です。

このような指導は、通塾指導はもちろんオンライン指導でも可能です。場を共有していなくても、ノートやテストの記録が生徒の課題を物語っています。対話によって課題が浮き彫りになります。

4.現在のAIには、できないこと

AI指導でも、生徒の能力に合わせて問題を出題することが始まっています。正解不正解だけではなく、解法の計算過程や所要時間を大量にデータ処理することで、理解できていないであろう課題に遡って出題をする仕組みです。でも、現在のAIはそのレベルです。

生徒のノートやテストの画像イメージを読み取り、生徒と双方向の対話をしたうえで、生徒の能力を見つけだして、ちょうどいい指導に結びつけるまでには、まだ至っていません。

学問ノススメの個別指導は、現在のAIにはできていないことができるという自負を持っています。