心理学と勉強法 第11回 記憶のコツ 精緻化 その2

心理学と勉強法 第11回 記憶のコツ 精緻化 その2

第11回は、記憶のコツ 精緻化 その2です。

c. イメージをつかむ(例文利用法)

英単語を覚える際に、例文を利用する方法があります。Holdという単語は、つかむという意味がありますが、英語では様々な場面で使われます(hold a rope, hold a meeting, hold eight ounces of liquid…)これらの正確な使い方を記憶するためには、例文で覚えることが役に立ちます。また、前置詞との組み合わせを例文により覚えることで、さらに記憶が深まります。

 単純に、英語と日本語を1対1対応で覚えるのではなく、例文を利用することで、処理水準を高めています。英単語だけではなく、情報のイメージ化(文字だけではなく映像的にイメージすることもイメージ化の例)は、記憶の精緻化につながっていきます。

d. 構成要素から覚える

英単語の場合、単語を要素に分けて覚えると理解が深まります。例えば、transportationは、trans(「向こうに」を表す接頭語)port(「運ぶ」という意味の語幹)tion(名詞化する接尾語)という要素で成り立っています。漢字の部首(つくりとへん)のイメージですね。

チャンキングという記憶法があります。覚えるべき情報をいくつかの塊に区切って覚えることです。例えば、「d-ocom-oaus-oft-ban-k」と言う文字列を覚えようとする時に、「docomo-au-softbank」と言うように区切り直すようなやり方です。性質は違いますが、精緻化の一種です。

物語化は、情報を結び付けていますが、構成要素やチャンキングは、情報を分解することで、処理水準をあげています。

これらの方法を普段の学習に活用してみることで、効率的に知識を覚えることができるかもしれません。悩み考えることが、記憶の処理水準を高めることにつながっています。

 

 

【次回(第12回)テーマ 記憶のコツ 構造化】