「食の歴史ー人類はこれまで何を食べてきたのか」(2020、プレジデント社)
- 2021.10.8 | 書評 未来への学び(遠い未来)
食欲の秋
秋になりました。
秋といえば、色々と連想するのですが、今回は食をテーマにした本を紹介したいと思います。
今回紹介するのはジャック・アタリ著「食の歴史-人類はこれまで何を食べてきたのか」(2020,プレジデント社)です。
著者について
ジャック・アタリ
1943年アルジェリア生まれ。フランス国立行政学院(ENA)卒業後、ミッテラン大統領顧問、欧州復興開発銀行初代総裁などの要職を歴任。『2030年ジャック・アタリの未来予測』など著書多数。
構成
本書は384ページ、10章+付属文書で構成されています。
大まかな構成は過去、現在、そして未来に分かれています。
はじめに
第一章さまよい歩きながら暮らす
第二章 自然を食らうために自然を手なずける
第三章 ヨーロッパの食文化の誕生と栄光(一世紀から一七世紀中ごろまで)
第四章 フランスの食の栄光と飢饉(一七世紀中ごろから一八世紀まで)
第五章 超高級ホテルの美食術と加工食品(一九世紀)
第六章 食産業を支える栄養学(二〇世紀)
第七章 富裕層、貧困層、世界の飢餓(現在)
第八章 昆虫、ロボット、人間(三〇年後の世界)
第九章 監視された沈黙のなかでの個食
第十章 食べることは重要なのか
本書を読んで
「はじめに」のなかで、ジャック・アタリ氏は「食は歴史の中核に位置する重要な人間活動なのである」と述べています。何を誰とどのように食べるかということが、人間関係、社会、そして国家のあり方と不可分だったからです。
本書を読めば、食が政治、経済、文化、宗教、社会問題などありとあらゆる面と密接に関わっていることが分かります。そして、今山積しているさまざまな問題を「食」という観点から考える視座を得られると思います。
膨大な情報量なので、一気に読むと消化不良になるかもしれません。ご注意を。
(文責:井口)