努力は裏切る!?(世界体操/世界新体操 2021)

世界体操/世界新体操が北九州市で10月18日から開催されています。オリンピックでの日本選手の大活躍の記憶も新しく、橋本大輝選手や村上茉愛選手の活躍など、メディアでも大きく報じられました。TV(あるいは会場)で観戦された方もいらっしゃると思います。

 

 

 

内村航平選手のインタビュー記事(東京オリンピック後)

その中でも、内村航平選手は、地元北九州生まれということもあり、最も注目されていました。私も、東京オリンピック鉄棒でのまさかの落下、その後の内村選手のインタビュー記事が、とても心に残っていました(以下、日テレNEWS24 8月19日より)

 

――今回の五輪は内村選手にとってどういうものに

普通に努力が裏切られるということを知れたということですね。人生の教訓として。今までこんなことはなかったので、ポジティブな面ではないですね、特に得たものは。後輩が躍動したとかそういうことだと思うんですけど、自分にとっては別にそれはあんまり関係ないことなので、自分にとっては努力が普通に裏切られることを知れたというだけだったなと思います」

――次に持っていくビジョンやプランは

「練習をやる以外ないです。やっぱり普通に努力は裏切られるというのを知ったからこそ、もっとやらなきゃいけないと思うし、やっぱり努力が裏切られることはないということは、また証明したいかなという。やっぱりあのときは、五輪の前はもうちょっとできたであろう、努力が裏切られたのではなく、自分が努力できていなかったんだというのを証明するために、世界選手権をやる感じなのかなと思います」

――コンディション面

「コンディション的にはそんなに良くないです、もちろん。痛いところももちろんたくさんあるし、やりきれなかったことで気持ちも若干切れたので、その分痛みも増すし。だから、かなり集中して気持ちをあげてやっていくしかないのかなと思っています」

――この期間で一番わいてきた感情は

「一生後悔するなという思いですね。やっぱり胸を張って東京五輪に俺は出たんだよと、今後いうことはできないなと。そこはすごく後悔するだろうなという。日本人として、そこは後悔するのかなと思います」

 

 

――3年後のパリ五輪に向けて

「今は世界選手権に向けてやっているので、別に今はパリのためにやっているわけじゃないしという感じですね」

――選択肢としてはどう

「東京がダメだったから、パリまでやるというのはどうかなという。別に僕は今まで、五輪で結果を残すためにやるというよりかは、やり続けているうちにそういう結果を残してきたという感じなので。だから世界選手権に向けてもやっている感じなので。別に今は3年後のことを考える必要はないかなという感じですね」

――体操への向き合い方やこれからの姿勢に変化は

「変わらないです特に。努力が足りなかっただけかなという。裏切られたのか、足りなかったのか、どっちなんだろうという、そこがわかっていないだけなので。別に努力はしていないわけじゃないし、果たして結果が出なかったからあれを努力と呼ばないというのか、果たしてやりきっても結果が出ない、どっちなんだろうという。わかっていないというのが本当に正しい表現かなと思います」

――これからはそこを模索

「できなかったことに対しては、何をいっても言い訳にしかならないので、どうやったら次うまくできるんだろうかと前向きにとらえたいですね」

世界体操での演技

そして迎えた10月24日(日)の種目別鉄棒決勝(以下、NHK WEB News 10月25日より)

H難度の大技、「ブレットシュナイダー」はバーをキャッチした際にひじがやや曲がるなど技の完成度は状態がいい頃には及びませんでしたが、9月の大会では決められなかった着地をぴたりと決めました。「会心の一撃」だったという着地で観客から大きな拍手を受けました。

 

 

順位は6位でしたが、観客からの声援や拍手に「スポーツは結果がすべて。ただ、きょうはそうではなかった」と充実感を漂わせて振り返りました。

スポーツの新たな一面を感じ、「この大会でスポーツは結果がすべてではないことを知ることができた。そこの追求はやってみたい」と話した内村選手。オリンピックの予選敗退を乗り越えた32歳は再び前を見据えていました。

 

 

「普通に努力は裏切る」と公の場で言い切れる努力、の凄み。

 

 

(文責 大井)