心理学と勉強法 第15回 記憶 まとめ(受験勉強のコツとして)

心理学と勉強法 第15回 記憶 まとめ(受験勉強のコツとして)

第15回は、第1章(記憶)のまとめとして、受験勉強のコツについて説明します。

ここまで知識を覚える記憶のメカニズムを説明してきました。記憶には短期と長期があること、符号化・貯蔵・検索という3段階があること、短期記憶は情報を短期的に記憶するだけでなく、長期記憶と連携して情報を処理する役割があることを紹介しました。

さらに、学習する対象を長期記憶として覚えておくためには、処理水準のレベルをあげることが決定的に重要であること、そのための記憶戦略として、覚えようとすることに意味づけをする精緻化や、関連づけて覚えようとする構造化について触れました。

記憶のモデルを理解したうえで、受験勉強に生かすことを意識してほしいので、詳しい説明をしてきました。ワーキングメモリの容量の限界を知ることで、記憶にとっては、精緻化や構造化が重要であることが理解できると思います。

この説明自体が、あなたの中で“構造化”されて、記憶できれば、あなたの武器になると考えたからです。

人間の記憶のモデルはとても精巧に作られています。でも、物理的な容量の限界もあります。だから、モデルを理解したうえで、学習に取り組んでほしいのです。

覚えて、ためて、引き出すには、どうしたらいいのか?短期記憶を長期記憶にするには、どういう努力をすればいいのか?ワーキングメモリに負荷をかけないように、効果的に検索できるようにするためにはどうするのか?

キーワードは、2つです。自分の言葉で、構造化する

通り一遍の浅い学習ではなく、自分の言葉で深い理解(処理水準モデル→精緻化・生成効果)に努め、容量の決まったコンピューターだからこそ、余計な容量は使わない貯蔵に努める(構造化)。すると、いざというときに、すぐ引き出せる検索(思い出す)ができるようになる。

これが、強固な石垣を造るコツです。

次回からは、第2章 考えて(推論)わかる(理解)について、説明していきます。

 

 

【次回(第16回)テーマ 第2章 考えて(推論)わかる(理解)】