心理学と勉強法 第24回 わかること(理解)

心理学と勉強法 第24回

第24回からは、わかること(理解)について説明します。

わかること(理解)についても、心理学での研究は行われてきました。知識を総動員して、直面している問題に挑む際の、認知メカニズムを、認知心理学では、次のように分解をしてとらえています。

問題空間の探索

「多くの場合、どのように解き始めればよいかの見通しを立てることが一番難しく、問題表象を転換できれば、簡単に解けることがある。問題解決は、現在の状態から目標状態に至る経路(問題空間)の探索であり、問題の再構造化を行う洞察が、認知の過程(プロセス)で行われている」という考え方です。

 

トンネルから抜け出す感覚

みなさんは、なかなかわからなかった問題が解けたときに、「スッキリ!」した経験がありませんか。この体験を“aha experience”と言います。「あっ、そうだったんだ」という感覚です。気持ちいいですね。脳の中で、迷路をさまよっていた自分が、出口からの光を実感した一瞬なのでしょう。曲がりくねっていた道が、一本すっと通じた瞬間。トンネルから抜け出したときと同じ体験が脳内に起こっているのでしょう。まさに、問題空間を探索した結果、やっと出口に到達した瞬間でしょう。

 

旧来の心理学では、こころの内的な動きを推し量ることが中心でしたが、認知心理学・情報科学の発展により、わかる過程、問題解決のプロセスで何が起こっているかについて、様々な考え方が発表されてきています。その中で、人間にみられる特徴的なシステムについて次回以降で説明します。

 

 

【次回(第25回)テーマ ヒューリスティック】