心理学と勉強法 第40回 モチベーションと認知(行動を起こす前)

第40回テーマは、モチベーションと認知(行動を起こす前)です。

 

モチベーションと認知

 

外発的動機づけと内発的動機づけの考え方は心理学の中でも古典的な研究で明らかにされたものです。その後、認知心理学の分野で、動機づけについての研究が進められていきました。私たちのやる気は、私たちの物事の認識に関係しているのではないかという視点からの研究です。モチベーションという非常に情意的なものが、実は、人間のものの見方、認知に基づいているという考え方です。

 

 

ここからは認知の仕方によってモチベーションが上下する仕組みについて説明していきます。まず、私たちが行動を起こす前に物事をどのように捉えるか、という視点からの説明です。

 

随伴性の認知(こうしたから、できた!)

 

随伴性(Contingency)という言葉があります。ある出来事が生じる(生じない)ことと、その出来事の後の別の出来事が生じる(生じない)関係のことです。例えば、「夕焼けの翌日は雨降り」という事象のそれぞれの関係(夕焼けの有無と雨降りの有無)のようなものです。因果関係ほど、原因による結果が明確ではありませんが、ある事象とその後の事象の関係を表現する概念です。

 

 

認知心理学では、学習意欲を考える際に、行動と結果における「随伴性の認知」という考え方を適用した理論があります。成功や失敗(結果)が自分の事前の行動(=学習)と連動していると考える(認知)ことが、モチベーションに影響を与えるという考え方です。外発的動機づけのような賞罰それ自体ではなく、自分の行動と結果が随伴している(行動に結果が伴っている)という認知が、学習意欲に影響を与えているという考え方です。

 

【次回(第41回)テーマ 期待価値理論】