心理学と勉強法 第41回 期待価値理論

第41回テーマは、期待価値理論です。

 

期待価値理論:「どの程度上手くいきそうか」と「どの程度魅力的か」

モチベーションは「期待」と「価値」(誘因価)との関数であるとする心理学の理論を期待価値理論と呼び、J.W. アトキンソンのモデルは、特に有名な理論です。J.W.アトキンソンが提唱した「期待・価値理論」は、私たちのやる気は、期待と価値の積で決まると考えます。

 

 

やる気=期待×価値

 

「期待」とは、求めることがどの程度の確率で得られそうかという見込み(認知)のことです。「価値」とは、行動の対象が自分にとってどれくらい魅力を感じられるかという評価のことです。

 

例えば、受験勉強をどの程度やる気になるかは、受かる見込みがどれだけあるかということと(期待)、志望校合格がどれくらい魅力的であるか(価値)の両方の強さによって決まるという考えです。

 

期待価値理論では、やる気=期待×価値の掛け算なので、期待もしくは価値の片方が高くても、どちらかが感じられない(=0)場合、やる気は起こらないと考えます。

 

結果期待と効力期待:「どうすればうまくいきそうか」と「実際にできそうか」

 

バンデューラは、期待価値理論を発展させ、期待について、結果期待と効力期待の2つに分けました。

 

 

「結果期待」とは、自分がある行動をすれば良い結果が得られるだろうと期待することです。随伴性の認知です。「効力期待」とは、実際に自分はそのような行動ができるかという期待のことです。

 

受験勉強の例で考えてみましょう。志望校へ合格するために、1日5時間勉強すれば受かるだろという期待を持っていたとします。結果期待です。しかし、実際にはできそうもないと感じれば効力期待は高まりません。その結果、やる気が起こらず、行動も起きないと考えます。

 

【次回(第42回)テーマ ”行動を起こした結果”の認知】