心理学と勉強法 第9回 記憶のコツ 処理水準モデル

心理学と勉強法 第9回 記憶のコツ 処理水準モデル

第9回は、記憶のコツについて説明します。まずは、処理水準モデルについて

記憶のモデルがとてもシステマティックなことを理解したうえで、ここからは短期記憶を長期記憶にするコツや、効果的に情報処理する記憶戦略(*)について説明をしていきます。

(*)心理学では、Strategyを方略と訳しています。戦争用語である戦略という邦訳ではなく、より普遍的な意味合いを持たそうとしての邦訳ですが、この本ではわかりやすく戦略と表現します。

覚えると思い出すについて、処理水準モデルという考え方があります。認知心理学の実験で、単語を覚える際に、深い意味的な処理した記憶は、感覚的な浅い処理よりも、高い記憶成績を生み出すという結果があります。さらに、テストされる内容と関連性を持つ方法で、記憶する方法が、良い結果を生むという転移適切性という考え方も、処理水準モデルの類型で唱えられています。

例えば、英単語を覚える際に、単に単語を音読するだけの場合と、単語を含む例文をイメージしながら覚える場合や語源を調べて覚える場合では、後者の方が深い意味的な処理をしていることになり、長期間覚えられます。

覚える(符号化)ためには、覚え方が大切深く情報処理する)であり、かつ思い出すこと(検索)との関係性も重要という考え方です。

受験勉強でも、浅い理解ではなく深く考えながら取り組むことの重要性のヒントがあると思いませんか。

処理水準モデルで説明した内容について、具体的にはどのように取り組めば、情報は短期記憶から長期記憶へと移す(覚える)ことができるのか?効率的に検索する(思い出す)ことができるのか?脳の仕組みに沿った上手な知識のデータベースの作り方を次回説明します。

【次回(第10回)テーマ 記憶のコツ 精緻化】