心理学と勉強法 第33回 神経回路を太くするための工夫 その2

心理学と勉強法 第33回

第33回のテーマは、神経回路を太くするための工夫 その2 わからなかった経験を生かす です。

わからなかった問題から何を引き出すかを意識してください。

 

イチローは、“長く続く強い発見は、凡打をして、その凡打の理由がわかったときなんです”と言っています。内野ゴロで凡退してベンチに引き上げるときに、しめたと思って、思わず笑みが浮かんだそうです。

 

 

継続的な取り組みで、繋がっていなかった神経回路がつながり、急に明るい景色が広がります。a-ha experience(あっ、わかった)です。解答を見てわかった!と思ったときに、本当にわかったかどうかをチェックしてください。「友達や先生に説明してみる。自問自答してみる」ことは、一つのやり方です。記憶で説明した生成効果(注)にもつながる方法です。

(注)生成効果(generation effect)とは、覚えるべき情報や、その情報に関連する情報を自己生成したほうが、記憶成績にとって良い結果をもたらすというものです。例えば、絵画のような画像情報を覚える場合に、絵画を受動的に見ているだけではなく、絵画のタイトルを考えながら覚えると、よく覚えているという類いのことです。

 

 

知識は、栄養と同じです。咀嚼しないと栄養(知識)にはなりません。わからなかったことがわかって一安心ではなく、わからなかったことが糧(栄養)になっていることを確認することです。しんどいですよ、大変ですね、勉強も。次回は、3つ目のコツ 「効率的な試行錯誤」を紹介します。

 

 

【次回(第34回)テーマ 効率的な試行錯誤 】