心理学と勉強法 第7回 記憶の3段階

心理学と勉強法 第7回 記憶の3段階(覚える、覚えておく、思い出す)

第7回は、記憶のモデル 「記憶の3段階(覚える、覚えておく、思い出す)」、まずは、”覚える”について説明します。

短期記憶(ワーキングモデル)と長期記憶は、密接に関連して、

    • 覚える(符号化)
    • 覚えておく(貯蔵)
    • 思い出す(検索)

という3つの段階で、情報処理を行っていると考えられています。

受験勉強においては、特に、覚える・覚えておく・思い出すという3つの段階を、どのように上手く実行するかが重要です。また、短期記憶を長期記憶に効果的にする方法や、思い出すこと(検索)を効果的に行う上で、ワーキングメモリの容量には限界があることが、とても重要な点です。

それでは、3つの段階について順番に説明します。

  1. 覚える(符号化)

私たちは毎日非常に多くの情報や刺激にさらされて生活をしています。しかし、それら全てに意識を向けることはしていません。ごく一部に注意を向けて、音や視覚などの感覚を使って対象を符号化(パターン認識)して短期記憶の中に取り組んでいます。

例えば、数学の授業で先生が板書した数式をノートに書き写す場合を想像してみましょう。板書された数式をあなたはどのようにノートに書き写しているのでしょうか?

恐らく数式を数字や音に変換(頭の中で数字やアルファベットを音に変換)しつつ、板書された数式とチェックして(視覚的に符号化するという)、一時的に記憶したものをノートに書き写しているのでは無いでしょうか?

コンピューターに例えると、音韻ループ(復唱して)と視空間スケッチパッド(黒板とノートを見ながら)を駆使して、記憶しています。

実際に次の式をノートに写してみてください。

いかがでしたか?

頭の中で、「ワイ イコール ヨンブン ノ サン プラス 二エイ (カケル) エックス」と復唱しつつ、上記の数式と自分が書いたものに間違いが無いか見直しませんでしたか?この程度の数式ならば、みなさんは無意識に書き写すことができるようになっていますが、数字やアルファベットを習い始めの子どもの場合、何度も目と耳で確認しながら記憶して、ノートに書き写す姿がイメージできませんか。

記憶できることは、注意を向けたことだけ。そして注意を向けるために、視覚や聴覚の感覚を使っています。

【次回(第8回)テーマ 記憶の3段階(覚える、覚えておく、思い出す)その2 ”覚えておく、思い出す”】